
株式会社HSレストラン
ココがPOINT!
2022年、阪急産業株式会社の飲食事業部門の分割承継会社として設立した株式会社HSレストラン。阪神間を中心に展開する「宮っ子ラーメン」や、とんかつ料理専門店「梅八」の専門店のほか、施設内レストランや給食事業など多岐に渡る運営を手掛け、関西を中心に現在20店舗を展開中。同社は全社的なペーパーレス化の一環として『V-Manage』を導入。これにより、全店舗で統一基準の衛生管理を実現し、現場の意識改革を進めている。
今回は営業統括部の山田 順治 氏と商品開発・衛生推進課の藤石 有紀 氏、小田 朱世 氏に導入の背景や効果について伺った。
営業統括部兼営業部次長 山田 順治 氏(以下、山田氏):1947年の食堂1号店を皮切りに主に社食や公共施設内などの食堂を展開してきました。「食材の品質と安全性を最優先に考え、お客様に安心してお食事を楽しんでいただける環境を提供します。厳しい品質管理と衛生管理を徹底し、安心してお食事をお楽しみいただけるよう努力します」(経営理念一部抜粋)のもと、30年以上にわたり衛生管理を徹底してきました。
冷蔵庫ごとの温度管理や栄養士による抜き打ちチェックを行い、現場全員が高い衛生意識を持つことを重視しています。衛生管理は一瞬の気の緩みが重大な結果を招くため、何かが起きてからでは遅い。何よりも優先すべき事項と考えています。
山田氏:20店舗を3カ月ごとに巡回していますが、時間や労力、コストがかかります。
また、巡回時しか実情を把握できず、店舗間で衛生管理の基準がばらつく課題がありました。問題が発生した場合、迅速な対策が難しい状況でした。
品質管理部 藤石 有紀 氏(以下、藤石氏):紙の温度管理表は、1年間の保存が義務付けられていますが、店舗ごとに記録漏れや保管の不備が発生していました。この結果、従業員間で衛生管理に対する基準や意識にばらつきが生じ、全店舗での統一的な衛生管理が課題となっていました。
さらに、接客業務を優先する現場では、衛生管理が「プラスアルファの業務」として捉えられる傾向があり、会社として全従業員に同じ意識を持たせることが難しい状況でした。加えて、全店舗で使用する紙の量は年間5,000枚に上り、全社的なペーパーレス化の取り組みも進められていました。
山田氏:以前からインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を利用しており、串カツ田中さんと共同でシステム開発をしているという話はニュース記事で拝見していました。インフォマートの担当者から『V-Manage』の紹介をされたことがきっかけです。他社の提案も検討しましたが、『V-Manage』は操作性が高く、日常的に発注システムとして使っているインフォマートのものだったので、安心感がありました。ペーパーレス化や、店舗に行かずにリアルタイムで現場の状況が確認できて、全店舗共通の基準管理を実現できる点に魅力を感じました。
『V-Manage』は、店舗のタスクを一覧化し、全従業員が統一基準で実行・確認できる環境を提供します。カスタマイズ可能なチェックシートを『V-Manage』に集約することができます。タブレットを通じて簡単に操作、確認できるのが特徴です。
藤石氏:導入前には店長会議での説明会や定期的に訪問してミーティングをしてくださったので、不明点も質問しやすい状況でした。操作の疑問点を丁寧に解消していただけたこともスムーズな導入につながりました。
藤石氏:紙管理に慣れていた現場は初め消極的でしたが、「全店舗で同じ基準を守る」という導入目的を全従業員に理解してもらうよう進めました。現在では「慣れれば問題ない」との声が多く、衛生管理に対する責任感が向上しています。
山田氏:『V-Manage』によって、従業員が誰でも同じクオリティで衛生管理を実行できるようになりました。これにより現場の負担軽減だけでなく、スポットワーカーや新人でも早期に戦力として働ける仕組みが実現しました。
藤石氏:タスクを行う時間設定をし、その時間内に実施できていない場合や不備が発生した場合は『V-Manage』からアラートを出せるため、現場全体の基準意識が統一されました。また、リアルタイムでの状況確認が可能になり、店舗巡回の頻度を減らしても問題の早期発見・対応が可能になりました。
運用を始めたことで各店舗から『V-Manage』についての不明点が上がってくるようになりましたが、インフォマートの担当者が月に1度は定期訪問してくれるので、その時に解消することができています。電話やメールでの質問にも対応してもらえるので、助かっています。
藤石氏:現在は紙管理と併用していますが、2025年中には『V-Manage』への完全移行を目指します。さらに、日々のタスクだけでなく、臨時タスクやマニュアルの共有をシステム化し、写真報告や全店舗でのデータ共有を進めたいです。
山田氏:衛生管理の面では、臨時タスクのほかにも洗剤などのマニュアルを『V-Manage』で作成し、全店舗で見られるようにし、清掃の状況を画像で報告させるような仕組みを作りたいですね。『V-Manage』を活用することで衛生管理の精度が向上し、巡回頻度の調整が可能になります。ゆくゆくは店舗のタスクをすべて登録して管理できるようにしたいので、まずは「とんかつ 梅八」や天ぷらの「なにわ瓢天」など、5店舗ほどで進めていきたいと考えています。
アルバイトやパートでもレジ締め作業までできるようにタスクを登録し、管理できるようになれば人手不足の課題解決にも繋がります。体制を整えたら、できている店舗、できていない店舗を評価することも可能になるので、人事評価としてもこのシステムを活用できたらうれしいですね。